「自分に迷惑をかけない」
これは心の学びの師匠である
岡部明美さんのことばだ。
私たちは小さい頃から
学校でも家でも
「人に迷惑をかけてはいけない」
と周りの大人たちに言われ続け、
そのように生きてきた。
それが人としての常識であり、
当たり前のことだった。
そして
人に迷惑をかけない代わりに
自分を抑えたり、我慢したり、犠牲になったりして
自分に迷惑をかけて生きてきたのだと思う。
人に迷惑をかけてしまったときには
自分を責め
申し訳ない気持ちになるのに
自分に迷惑をかけても平気でいる。
これってどうなの?
と今は思う。
私は人生に強制終了がかかるまでの数年
からだにムリをさせてきたため
ヘルペスや咳ぜんそくやいろんな病気になった。
毎年のようにインフルエンザにも罹っていた。
その頃、英語教室で子どもたちに教えていたのだが
インフルエンザに罹ったときは
別の日に振り替えレッスンをやるのはもちろん、
生徒たちに迷惑をかけてしまった罪悪感から
家でできる課題を早急に作って一人ひとりに送っていた。
どんなに体がしんどくても
気になって休んでいられなかった。
長年持ってきた
「自分さえ我慢すればいいんだ」もどこかにあった。
でも、もうそれを手放そう。
自分に迷惑をかけないように生きていこう。
大学2年生の娘が冬休みで帰省していた。
数日前からのどが痛く、
今日受診したら急性扁桃炎だった。
明日には東京に帰って授業もバイトも始まる。
バイト先にラインをしながら
娘が「どうしよう」と言っている。
私:「休むの申し訳なくて言いづらいの?」
娘:「それはない」
私:「バイト先に迷惑がかかるからどうしようって言ったのかと思った」
娘:「それは全然ない。ただいつまで休もうかなと思って」
今どきの子は「迷惑をかける」という意識が薄いのか、ないのか
うちの子だけがそうなのかはわからないが。
「人に迷惑をかけてはいけない」意識の強い
私のような親に育てられても
娘がそうではないことにほっとした。
私も娘を見習って
「人に迷惑をかけない」はほどほどに
「自分に迷惑をかけない」生き方をしていきたい。